───…可愛い、
「ふーん..」
トラキアは、少し赤くなって言った。
「トラキアは、どうしたの?」
ミルーラは、トラキアの左手に
巻かれた包帯を気にしているようだった。
「あ、これ?ライアンに噛まれたんだ」
トラキアは、何ともないと
激痛に耐えながら手を振ってみせた。
「ライアンに!?」
ミルーラは、驚きを隠せないようだった。
「………あぁ、」
「嫌われてるのね、可哀想」
ミルーラは、天然なのかわざとなのか
悪びれた様子なく言った。
───…嫌われてる、
トラキアは、心にグサッと
何かが突き刺さる痛みを感じた。

