…………が、 その手は、無傷だった。 ────…なん、で? 確かに噛まれてたのに。 「ライアン……?」 トラキアは、ゆっくりと ライアンの方に首をやった。 すると、ライアンは怯えていた。 ───…もしかして、甘噛みだったのか? 「ライアン……」 トラキアは、すっかり怯えてしまった ライアンに申し訳なさそうに向き直った。 「………ガォ」 ライアンは、いまだに怯えている。 ───…俺に構って欲しくて? トラキアは、自分の中に沸き上がってくる愛おしさに胸を高鳴らせた。