「──────……………?」 凄まじい冷や汗をかくトラキア。 おそるおそる自分の左手を見る。 その手にはやはり、 しっかりと噛みついているライアンが。 ライアンの表情は爛漫としていて、 とてもご満悦の様子だった。 それとは対照的に、 「なにしてんだぁぁぁぁぁ……っ!!」 トラキアの痛切な叫び声が だだっ広い中庭に響き渡った。 トラキアの叫び声に驚いて ライアンはトラキアの左手を解放した。 トラキアは、解放されるが否や 自分の左手の安否を確認しようと すぐさま左手を直視した。