──…あの男は、とにかく優しかった。
だから、怖かったんだ。
優しさなんて
知らなかった頃の俺は──…
「………どうするって、何を」
とトラキアは、眉をしかめた。
「王子に決まってんだろ、馬鹿」
デカルトは、呆れたように言った。
───…相変わらず、
ははっと苦笑いを浮かべるトラキア。
人を差別して会話しやがる..
「王族専用の牢獄だから、まだましなものの……牢屋行きだなんて。王は、どうかしている..」
とデカルトは、深い溜め息をついて
額を抑えた。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…