「──…あいつ、」 トラキアの表情は、途端に凍りついた。 「─────…っ、はっ!!」 しんとした室内に響く喘ぎ声。 トラキアは、 はっとしてその声の主を探った。 そこにいたのは─… 「王子っ!!」 トラキアは悲鳴にも似た声をあげる。 苦しそうに横たわるキルト。 「無事かっ!?」 ペシベシと キルトの頬を叩くが意識はない。 「───…っ、畜生..っ!!」 トラキアは、 吐き捨てるようにそう言うと キルトを肩に抱え医務室に駆け出した。