「兄上…ですか?」 とキルトは、眉をしかめて言った。 「あぁ…、城に来いと言っておいたんだが姿を見なくてな..」 ───…城に、呼んだ? あの酒屋の女の話じゃ、兄上は メイドを追い掛けて───… そこでキルトは、ハッとした。 …………どういうことだ? あの女、何者なんだ? そういえば、兄上の事を 呼び捨てにしていたな.. って事は、あの女はまさか──… 「兄上の妃が、兄上はメイドを追い掛けて行ったと言っていました」 キルトが、そう言うと