「国民にとって、私は救世主だ」


ダネスは、真剣な眼差しでそう言った。



「国民が国王を裏切るわけないわ」

とソフィは、瞳を揺るがせた。



「──…それは、どうかな?」


ダネスは、妖艶に笑う。



「まぁ、それはこれから話そう…。君も話を聞かない事には、自分の夫を殺せないだろうからね」


「だから、私は──…」


そう言ったソフィの目の前に

黒く重い金属の塊が突き出された。



「………?これは何…?」


ソフィは、不思議そうにその奇妙な

物体を見つめる。