「デカルトは、平気なのか?」
キルトは、思いついたように訊ねた。
「何がですか?」
「この臭いだ」
「あぁ…、」
デカルトは、
虚無を見つめるようにしてから
「まぁ、こういうのは慣れですからね」
とにっこり笑って言った。
「慣れ…なのか?」
キルトは、顔面の全体を引きつらせた。
「王子は、まだ軽くしか飲んだ事がないから慣れてないんですよ。王宮育ちですし、ね」
……王宮育ちと何の関連性があるんだ?
などとキルトが思考を巡らせていると
店内の会話も始まっていたようで、
店の奥からみすぼらしい女が現れた。

