「───…っ、しかし..っ!」


キルトは、勢いをつける。




………まったく、世話の焼ける..



「王子」


デカルトは、すっとキルトの前に

手を出してその勢いを止めた。




「……デカルト」


キルトは、はっとして我にかえった。



「シルベリア王、分かりました。ドスラクト教に見つかりさえしなければよいわけですね?」



「………は?」


と瞳を丸くするシルベリアに

ニヤリと笑ったデカルトは



「では、失礼します」


と一礼しキルトを誘導しつつ

王宮の間に踵をかえした。