「沙織が生まれてから…照れ臭くなって言えなかったけれど…」 博は智子の目を見た。 今も20年前も、変わらない瞳。 「智子、愛してるよ」 智子は何度も何度も頷いた。 何か喋りたくても、涙のせいで言葉が出ない。 それでも、想いは伝わっていた。