塔の姫

「早く…早く…誰か…早くしないと、私は…早く私を…」




何度呟いたか分からない願いを口に出しながら、姫は祈りました。




早く…




姫の祈りが通じたかのように、窓の縁に一羽のカラスが降り立ちました。