結局,女として見られてないってだけ。

「わかった??」

説明し終え,明乃に確認する。


「じゃぁ,梓は好きな人いないの??」

わかったのか,コイツ。


「……いないよ」


「えっ!?何!?今の間!!」


「いや,別に...」


「いるでしょー好きな人!」

「だからいないって...痛っぁー!!」


うまい具合に開いていた窓の隙間からサッカーボールが飛んできて,私の頭に直撃。


後頭部に微痛。

大袈裟にリアクションした私に駆け寄ってきたのは...


「ごめん!大丈夫!?」

同じクラスの香野 威琉(コウノ タケル)こと『タケ』と,

倉持 恵(クラモチ ケイ)。

タケは,外見はチャラい。調子がよくて,クラスの人気者。


恵は,顔は美形だけど口が悪い。冷血で,大人っぽい感じ。


「あ!タケと恵くんぢゃん」

明乃が言った。

「今ボール来たよな!?当たった!?」

続いてタケ。

「梓に当たったよ」

明乃が答える。

「まじ!?ごめん,柴井!」


「サッカーしてたの?」


「あぁ」


「こんなトコに飛ばすなんてヘッタクソだねー」


「はぁ!?この俺が謝ってんのに偉そうだなお前!!」


「事実じゃん」


「この野郎...」