そのあとのことは,何も覚えていない。

気付いたら家にいて,ゴハンも食べずにベッドに入り,泣いていた。

お母さんに,着物がくずれちゃうって怒られたけど…着物なんてどうでもよかった。



もう,何もわからない。

考えたくない。

唯一つわかるのは,私は『失恋』したってこと。


私ってこんなにタケのこと好きだったんだ。


私は,そのまま泣き続けた。

涙なんて,枯れてしまえばいい。


私はそのまま冬休みを終えた。



新学期。

学校に行くのが辛い。

二人を見るのが辛い。

でも,私は進む。

だって,止まったって仕方ないから。

泣いてたって,答えは出ない。


初恋は叶わないって…

いうもんね。



人は,恋をして強くなる。


恋をして,成長する。



-学校

「おはよう,梓」

やば。泣くかも…

「おはっよ!」


「よかった。元気そうで」


「え??」


「初詣行った日,元気なかったみたいだし」


いや…アナタのせいですわよ??


「うん…もう大丈夫!ありがと」


ほんとは,全然大丈夫じゃなかったけど,ここで明乃にあたるのは間違ってるし,おかしい。