「梓…??」


明乃の声に,ハッと我に返る。


「どーしたの??大丈夫??」

心配そうに私を見る明乃。



「…あ……おっ…おめでとう!!」


笑え…


「え…あ,ありがとう」


笑え…私。


「もーイキナリでびっくりしちゃったよー!二人ならお似合いだよ!仲良くね!!」



私,精一杯笑ったよ??


これ以上,無理…



「ごめんっ!ちょっとトイレ!!」


思わずその場を逃げ出した。



そのままトイレに駆け込む。



「うっ…ひっく…ぅぁあ…」


私は,泣いた。


いっぱい,いっぱい泣いた。


それでも涙はどんどん出てきた。


鏡を見ると,私の顔はメイクが落ちかけてヒドいことになっていた。


「ははっ…ブサイク…」


笑えない。


笑えないよ…