放課後。

誰もいない教室に,私たちはいた。

「タケと恵,今日部活ないの??」

私は,だいぶタケと素直に話せるようになった。

…と,思う。

「おぅ。今日顧問いねぇしグラウンド使えねぇから」


「そうなんだ」

修学旅行以来,私たち四人は一緒に居ることが多くなった。

今も,何をするわけでもなく…


ただ,私の机に集まって喋っているだけ。

私は,この時間がたまらなく好きだった。


大好きなタケと,一緒にいれたから。


「あっ!!見て!?雪!!!」

突然,明乃が叫んだ。


窓の外を見ると…



雪。



白くて小さな雪が,空から舞い降りてきた。

「きれーい…」


「そう言えば,もうすぐクリスマスだな」


「梓ー!クリスマスは二人でデートしようね!?」


「もちろん!」



「あー…雪を見ると初恋を思い出しちゃうなー」

明乃が頬杖をついたまま呟いた。

「えっ!?明乃,初恋の思い出とかあるの!?」


「あたりまえじゃーん」


「俺も初恋は切なかったなー。恵も初恋あっただろ??」


「まぁな…」


え…何この雰囲気。

みんな,しみじみとしちゃって…