「え・・・?それ、ほんと?」





「うん」




私は宏哉くんから、和哉の事を聞いた。






「何で・・・和哉のところ・・・」






「和哉ん家はね、えっとー・・・。このブランド知ってる?」





宏哉くんはズボンのポケットからキーケースらしき物を取り出した。





「あ、これっ・・・。もしかして・・・あの、チェスブラックの?」





「そう。和哉はこの大手企業の息子。意味、わかるかな?」





「あ、うん・・・」





「和哉はね、父親に佐奈ちゃんと住む世界が違うって言われて・・・」





「・・・っ住む世界が違うって。何それっ!ふざけんなっ!!」




私はテーブルを叩いた。



「佐奈ちゃん、落ち着いて」