えんどう豆のゆくえ

 家の中は片付いていた。
 
 玄関の靴箱の上に、ガラスの猫とこけし、靴べらという変な組み合わせの物が乗っかっているくらいで、他は飾り気がまるでない。

 私は玄関を入ってすぐの部屋に通された。ほつれて色あせた畳の床が印象的だった。

「ちょっと待ってて。タオルとか取って来るわ」

どこかうきうきした足取りで、女の人は部屋を出て行った。

 改めて部屋を見回してみる。テレビの上にぽつんと飾ってあった写真立てに、思わず目が吸い寄せられてしまった。
 
 あの女の人と美姫が、そこそこ幸せそうに笑って立っている。