えんどう豆のゆくえ

 本をたくさん読んでいたせいか、私は哲学的なことを考えるのが好きという、変な小学生だった。

 このときも、

「ものすごく暑い」

というところからどんどん深刻なことに考えを発展させ、「人はなぜ生きるのだろう」という所に考えが及んだくらいで祖母の家についた。

 久しぶりに訪れた祖母の家は、相変わらずどこか温かい。
 
 祖父と祖母に散々可愛がられて、持切れないほどたくさんの野菜を持たされ家を出た頃には、小雨が降りだしていた。

 けれど大したことはなかったので、私はそのまま自転車を漕ぎ、家に帰ろうとしたのだった。