気がついたのは朝だった。

晴れ渡った空を明るく照らし出す太陽の光が部屋の中に伸びている。

小鳥の鳴き声も聞こえる平和な朝だった。

ただ私がそんな朝に清々しい気持ちになれなかったのは、ベランダの物干し竿に吊されたずぶ濡れのままの一着の子供服が目に入ったからだ。

その子供服は紛れもなく、あの日ユッキが着ていた服だった。

それからの私は夜がくる度に恐怖で眠れない日々が続いたが特に変わった事は起きなかった。

あれから何事もなく一ヶ月程経ったある日、私が野暮用で母に電話した時にユッキの話をすると、隠されていた真実を聞かされたのだ。

ユッキは行方不明なんかではなかったのである。