間合いを詰め。

飛びかかり。

組み付き、押し倒し、のしかかった。

草の上に強かに背中を打ちつけられた梓。

僕はそんな彼女の、ちょうど腰の辺りに馬乗りになった。

息が荒くなる。

口の中に唾液が溜まる。

心臓が早鐘の如く打ち鳴らされる。

僕は梓にのしかかったまま、両手で彼女の細い肩をつかんだ。

白い柔肌に、僕の爪が食い込む。

皮膚を突き破り、血が溢れ出るか出ないか、そんなギリギリの力加減で。

「っ…!」

痛みを感じたのか、梓が僅かに顔をしかめる。

端正な顔立ちが、僕の接触によって表情を変える。

その変化に、僕は異常なほどに興奮していた。