杖縁梓は琉羽爾亜学園の生徒会長であり、同時に渡蘭市一番の大金持ち、杖縁家の令嬢でもある。
礼儀正しく知的で優雅な雰囲気を持つ美少女で、生徒からの人気と信任も厚い才媛、というのは言い過ぎではないだろう。
そして私はそんな杖縁梓と、訳あって『親密な』間柄だった。
「昨夜は随分派手にやってたんですね、杖縁さん」
「あら…聞こえちゃった?」
杖縁梓は意味ありげに笑う。
「この土地の管理者としては、あまり品のない連中に好き勝手やられるのは面白くないのよね」
「管理者だなんて誰が決めたんですか?」
「勢力的には杖縁が一番大きいでしょ?野須平よりも…出碧よりも…ね?」
「……」
他の登校中の生徒は誰も気づかなかったに違いない。
だけど確実に。
私と杖縁梓の間の空気が、ピリピリと張り詰め、濃密な空間へと変わっていくのがわかった。
礼儀正しく知的で優雅な雰囲気を持つ美少女で、生徒からの人気と信任も厚い才媛、というのは言い過ぎではないだろう。
そして私はそんな杖縁梓と、訳あって『親密な』間柄だった。
「昨夜は随分派手にやってたんですね、杖縁さん」
「あら…聞こえちゃった?」
杖縁梓は意味ありげに笑う。
「この土地の管理者としては、あまり品のない連中に好き勝手やられるのは面白くないのよね」
「管理者だなんて誰が決めたんですか?」
「勢力的には杖縁が一番大きいでしょ?野須平よりも…出碧よりも…ね?」
「……」
他の登校中の生徒は誰も気づかなかったに違いない。
だけど確実に。
私と杖縁梓の間の空気が、ピリピリと張り詰め、濃密な空間へと変わっていくのがわかった。