広大な杖縁家の敷地には、ちょっとした森まで存在する。
その森の中を草を掻き分け掻き分け進んでいくと、やっと屋敷が見えてきた。
今まで門の外からしか拝んだ事のない杖縁の屋敷。
間近で見るとホワイトハウスを彷彿とさせる造りだ。
こんな大きな屋敷に娘一人とは、何とも贅沢な話である。
そんな事を考えて。
「失礼…君もいたんだったね」
僕は頭上…大きな樹の太い枝を見上げる。
そこから見下ろす凶暴な獣性を湛えた眼。
全身黒ずくめの青年が、僕を見据えていた。
「…誰だお前は。血の匂いがする」
「人に名を尋ねる時には、まず自分から…」
言いかけて、僕は素早く回避行動に移る!
直後僕の立っていた場所に叩き込まれる蹴り足!
枝から飛び降りてきた青年の、強烈な蹴りだった。
「梓の友人なら早めに弁解しろよ…俺の気分で殺しても、梓は文句が言えないからな」
赤い双眸が血を欲して僕を射抜く。
「そうか…君が噂の堕蓮持ちか」
その森の中を草を掻き分け掻き分け進んでいくと、やっと屋敷が見えてきた。
今まで門の外からしか拝んだ事のない杖縁の屋敷。
間近で見るとホワイトハウスを彷彿とさせる造りだ。
こんな大きな屋敷に娘一人とは、何とも贅沢な話である。
そんな事を考えて。
「失礼…君もいたんだったね」
僕は頭上…大きな樹の太い枝を見上げる。
そこから見下ろす凶暴な獣性を湛えた眼。
全身黒ずくめの青年が、僕を見据えていた。
「…誰だお前は。血の匂いがする」
「人に名を尋ねる時には、まず自分から…」
言いかけて、僕は素早く回避行動に移る!
直後僕の立っていた場所に叩き込まれる蹴り足!
枝から飛び降りてきた青年の、強烈な蹴りだった。
「梓の友人なら早めに弁解しろよ…俺の気分で殺しても、梓は文句が言えないからな」
赤い双眸が血を欲して僕を射抜く。
「そうか…君が噂の堕蓮持ちか」