当然、そんな特異な力を持つ堕蓮は恐れられ、名門の亜吸血種から忌み嫌われ、狙われる。

ある日抗争が起こり、それを口実に堕蓮は真っ先に抹殺の対象とされた。

だが堕蓮とて馬鹿ではない。

彼らはこんな時に備え、いたる所に自分の種を撒き散らしていたのだ。

…出来うる限り、堕蓮の血は絶やさなければならない。

亜吸血種達は多くの同胞の子を屠り、まだ生まれてきていない母胎の胎児さえもその対象とした。

凄惨なまでの『堕蓮狩り』。

…それでも尚、堕蓮の血は完全には絶えなかった。

己より優れた血は許さないという亜吸血種の『エゴ』にも滅ぶ事なく、今も堕蓮の心臓を持つ者はこの世に存在するのである。