両腕両脚を断ち切られ、儚は床に転がった。

芋虫のように。

つい先刻の私のように。

「…あ…ずさ…」

「ご機嫌はいかがかしら?儚様」

いつかと同じように。

私は儚に言われたのと同じ台詞を儚に告げる。

「最終的に勝利するのは強い者ではないの…より大きな『エゴ』を持つ者…欲望に忠実な者が、全てを奪い去るの…」

陵辱を繰り返されても。

蹂躙に次ぐ蹂躙を繰り返されても。

狗と呼ばれて足蹴にされても。

私は『エゴ』を捨てなかった。

屈辱、恥辱に耐え、この時を耐え忍んで待った。

そしてついにこの瞬間がやってきたのだ。