しとねに切断された右脚に、芋虫のように這いずって近づき、傷口に繋げ直す。

儚がしとねの背後を取った時、その勝敗の行方を見定めるよりも先にその行為に全力を傾けた。

何とか立ち上がれるようにしなければならない。

私が儚に屈服したのも。

儚の狗になったのも。

ここまで体を張ってしとねと闘ってきたのも。

全てはこの時の為だったのだから。

…案の定、儚は『吸血』でしとねを虜にした。

私から武羅人を奪った時と同じ手段で。

そしてしとねを自害させた後、決定的な隙を見せる。

…再生するかどうかはかなり際どかったけど、それでも私の繋げた右足は、何とか立ち上がれるまでに回復した。

だから立ち上がった。

立ち上がって、『無影の蹴撃』を撃ち放った。

油断して、気を抜いて、無防備極まりなかった儚の背後から。