ふと、足元で何かが蠢く。

「あら…まだ生きてたのね」

薄く微笑む。

そんな私の顔を見上げて、足元の『それ』は言語不明瞭な声を上げた。

言葉と共に吐き出す血の塊。

もう長くはないだろう。

「何言ってるかわからないわ…それに…」

私は目を細め。

グジャッ!

『それ』の頭を踏み砕いた。

体液を撒き散らし、それは遂に絶命する。

「その口からこぼれ出る『雑音』が月見の邪魔よ…黙りなさい。永久に」

膝の辺りまで飛び散った返り血を気にする事もなく、私は続けて月見に興じた…。