勢いよく振り下ろされる、しとねの腕。

彼女が『旋』を撃った瞬間、その余りの速度に衝撃波が発生した。

鎌鼬。

真空の渦が生じ、不可視の牙を剥いて私に襲い掛かる!

それは魔風。

飲み込まれれば肉体など血煙と化してしまう狂風。

咄嗟に両手で防御姿勢をとる!

そんな私の体を巻き込み、通過する鎌鼬!

激痛と同時に寒気を感じた。

そして、魔風が私の体を通過する頃…。

「あぁあ…あぁぁぁあぁあぁ…!」

私の両腕は、鎌鼬によって皮も肉も削ぎ落とされて骨が剥き出しにされてしまっていた。