「闘争さ」

私は緩みきった顔で恍惚の表情を浮かべた。

「殺し合い、傷つけ合い、相手の肉体をズタズタに破壊し尽くす事にのみ、私達は快楽を得る…どうしようもない、狂おしいほどの暴力衝動を満たす事こそが私達の生きている証…そうだろう?」

「……」

儚は否定しない。

そりゃそうだろう。

この子もれっきとした亜吸血種なんだから。

「この街を奪い合う…そういう名目のもとに、私達は殺し合っている…だがこの地を掌握しちまったらどうなる?私に全ての亜吸血種や人外がひれ伏しちまったらどうなる?この狂おしい衝動は、欲望は、私の『エゴ』はどうやって満たせばいい?」

そうさ。

掌握なんて興味はない。

いつでも食い放題、殺し放題。

殺戮が自由に出来る戦乱の時代だからこそ、私達の抑えきれない衝動は、掻き毟るような欲望の渇きは癒されるんだ。