ゆらゆらと煙管を揺らしながら、私はたっぷりと間を置く。

せっかちなのは嫌いだ。

でもとろ臭いのも嫌いだ。

要は私の気分次第って事さね。

「どう思う?出碧家の再興…といってもたった三人の亜吸血種が徒党を組んだだけの寄り合い所帯だ…私らの敵になると思うかい?」

「……」

艶は否定も肯定もしない。

しばし黙考した後。

「出碧は野須平に劣らぬ名門…加えて佐久間武羅人は堕蓮持ち…この二人が手を組んだというだけでも、一応は警戒しておいた方がよろしいかと…杖縁はまだ傘下に入ったとは言い難いので返答致しかねますが…」

「そうかい…」

私は薄く笑った。

『まだ楽しめる』

そういう事さね。

…私は顎をしゃくる。

それを見た艶は、静かに音もなく立ち上がった。

「では失礼致します」

部屋を出て行く艶。

長い付き合いだ。

言葉に出さずとも、私の意思は汲み取れるように育てていた。