さようなら。

哲の顔も見れないで

喫茶店を出た。

『大嫌い』だなんて

ひどいこと言った。

本当は

まだ大好きなのに……

泣きながら走る。

涙に濡れた頬が

風に当たって冷たい。

少し離れたところで

後ろを見てみたけど

「好きなんだったら

追ってこいよぉ……」

哲はいなかった。

あたしはその場に

崩れ落ちた。

だれもいなかったけど

声を殺して泣いた。

だれもいないのに

だれかに見られていそうで

静かに

でも思いっきり泣いた。

ひどいこと言ったけど

追いかけてきて

ほしかった。

『好きだ』って

言ってほしかった……