てかもうすでにズレてるんだけど…


「あ、ごめん。」


そう言ってあたしのカツラを直す翔にぃ。


「ぶっ……あっはっはっは!!ダメだもう俺、我慢できねぇッぎゃははははッ」


お腹を抱えて爆笑している優にぃ。


「優翔っ」

翔にぃが優にぃを見て呆れている。


「おまっ…まじで、あはははっ何なんだよその変装!!!ぶははっ」


…………しね。


「ちょ、おまっ、くんなッ」

ソファーから立ち上がり、近づくあたしの殺気に気付いたのか、優にぃが
笑うのをやめて後ずさる。

「ごめんって!まじでヤメ…ぐはッ…ロ…っ」


「…ばかだな」

苦しんでいる優にぃを見て、翔にぃがまた呆れている。


「あ、ってか翔にぃ!」


「何?」

あたしの呼びかけに笑顔で答える翔にぃ。

「あたし、女の先生に生徒会室にくるように言われたんだけど、先生は?」


室内を見回しても、あたしたち3人以外に人がいる気配がない。