生徒会室の中には、
同じ顔をした男が
若干2名。


「ねぇ、翔にぃはわかるけど、なんで優にぃが生徒会室にいんの?」

「あ?副会長がいたらダメなのかよ」

今喋ったのは、茶髪で、あたしを生徒会室の中に連れ込んだ優翔お兄ちゃん。

「副会長なの!?聞いてないし!」

「言ってねぇもん」

「……」

意地悪く笑う優にぃ。

名前に“優”って漢字がついているけど、優しい要素が全然ない。


「苺李、おいで」


と、あたしの名前を優しく呼び、ソファーに座って手招きをしているのが、黒髪の翔瑚お兄ちゃん。


「翔にぃ…」

あたしが翔にぃの隣に座ると、優しく頭を撫でてくれた。

「このシスコン」

優にぃが小さく呟いた。

「お前もだろ」

と言い返す翔にぃ。

同じ顔の二人。背丈も同じ。違うのは髪の色。


と、性格。


「翔にぃ…あのさ、」


「ん?」










「カツラ、ズレる」