か弱い羊と優しい狼



「……あっくん………」


何度もあっくんの名を呼ぶ


「まだ…中2や。
幸なら俺よりえぇ奴と幸せになれる」


いや……あっくんと幸せになれないなら
幸せなんていらない…………



「…じゃあな…幸…」

行かないで………


あっくんは歩いて公園から出る


どんどん遠ざかる愛しい姿…


「あっくん……!………あっくん……」



あたしの声は徐々に小さくなる


「…ゥッ……あっくん………」


行かないで…

一人にしないで…

…あっくん……………




























「………幸……?」


目を開ける


「………明美……?」

親友の明美が目の前にいる


「……よかった………」


明美はポロポロ涙を流す


「…え……ココ……」


あたしは起き上がる


「…っ…幸が…公園で倒れとるのを…」


明美は喋るのをやめる


「……明美…?」

「………淳君が…」


……………あっくん………?


「……え……なんで……?」


また涙が出た


あんだけ泣いて…
まだ泣きたらんのんかな……


「……淳君が…うちまで
運んでくれて…幸を頼む…って…

それで…うち………」


明美は腕で涙をふく


「…うち…いつもなら…
淳君が…幸を面倒見たげるけぇ…
なんでなん?……って………」


……明美………


「……したら…淳君……
俺には幸を笑わす権力も
泣かす権力もない…って…


また………幸と関わったら…
もう…悲しませる事しかできん…って」



……………あっくん……


「……ヒック……ッ……淳君と幸…
あんだけ仲良かったのに……
うち……分からんくなって…」



…明美……ごめんね……


「……明美……もういいよ…」


悪いのは…明美じゃない…



「……幸ぃ………」


あたしは明美と抱き合いながら泣いた