店に入ったアタシは若さが吸い取られる気がした。
メニューは脂っこそうなラーメンや焼き鳥。
テーブルやカウンターには脂ののったオッサン達がずらり。
それを藍貴達男子は、気にも止めない。

アタシは、酒の勢いで騒ぎまくる男共を横目に、一人コーラを飲んでいた。
コーラは小さい頃から好きだった。

炭酸が抜けたコーラはコーラじゃないけど。
そして食べているものと言えば…
海草サラダ。お酢のドレッシングがかかっている。
結構美味しいのでちびちびと食べていた。

「…だよ!なぁ、秋ちゃん?」
「は、はぁ…」

突然話しかけられてビックリする。


…何か、アタシ忘れられてない?
つまんないし…帰ろう…。

食べ終えて、藍貴に帰る事を告げる。

「藍貴、悪いけどアタシ帰るね。」
ちょっと申し訳なさそうに言った。

藍貴は黙ったあと、言った。

「大丈夫!男だけのが盛り上がるしb」

んじゃーなんでアタシを呼んだんだよ!
少し睨みながらも藍貴の友達に挨拶した。

コーラと海草サラダ代、置いとこ。
チャリ…

「藍貴」
テーブルに代金を置いたあと、藍貴を呼んだ。

「ん?」
「コレ、アタシの分。一緒に払っといて」
「分かったー。」
「じゃ、またね」
「じゃなー」

アタシはタクシーを拾って家路を告げた。
いつもとは違う景色の道路を走るタクシーの中、する事も無いのでメールを確認する事にした。

ケータイを開くと、
[新着メール:1件]

何の気なしに開くと、送り主は藍貴だった。
[無題]
[本文]
「今日、邪魔みたいになっちゃったなー。ごめん。
今度映画とかどう?お詫びとして俺おごるー。メールちょうだい -END-」

…へぇ。
結構優しいじゃん。
お詫びとかって藍貴きっちりやるタイプなんだ…ビックリ。
アタシはすぐ、返事した。

[Re:]
[本文]
「大丈夫だよー。何であたし呼ばれたのか分かんなかったけどねo(^-^)o
気にしてないから安心してねb
映画いいねー行く!いつにする?-END-」

本文通り、そんなに気に止めてなかったので、明るい内容にした。

その夜、アタシはちょっと機嫌が良かった。