いやな感じがしてそこから 動こうとするものの 足が思うように動かない。 (え?動かない。) そうこうしているうちに男は 屋上に足をおろした。 (瞳が、紅い。) その男は私が動けないことに気づいたのか 綺麗な薄い唇を少し上げて笑い 距離を縮めてきた。 私が目を逸らせないでいると いつの間にかものすごく近くにいた男が、 私の耳元で低くそして甘く囁いた。