ヴァンパイアには人を翻弄させてしまう力があるから。
意識はあっても体が勝手に動く。
そんな感じだろう。
「なに、月、すんごくいいトコだったのに…。」
相変わらず俺をイライラさせる笑いで俺を見る。
「あ…ご、ごめんなさいっ!!」
麗李がそう俺に言うと教室から飛び出した。
「あ~ぁ、もう少しだったのに。」
「!ふざけんじゃねぇ!!」
俺は麗李がいなくなったことでイラつきを全部
響にぶつけて、おもいっきり殴ってやった。
「ってぇ。」
響が顔をしかめて痛そうにしている。
そりゃあ、めっちゃ力いっぱい殴ったからな。
「今度、麗李にあんなことしてみろ、次は(殺すよ?)…。」
響の胸元を鷲掴みにしてこれでもかってくらい睨む。
それから響から手を離して麗李を追いかけた。

