「また、お前は油断も隙もねぇな。」
いつの間にか月が後ろに立っていて
響と私を引き離してくれた。
「当たり前じゃん?奪うんだし。」
得意げな顔をして月をみる。
(その、自身はどこから来るのやら…;)
「まぁ、そんな簡単に手に入っても面白くないから
ジックリと責めてあげるね?」
そう言うとまたどこかに去っていってしまった。
(なんでこう私の回りには自由人が多いかな…。)
心の中でため息をつく。
「心配すんなよ。」
「へ?」
突然月が話しかけてきたから
変な反応になってしまった。
「なんだよ、その反応は。」
相変わらず月は痛いところをついてくる。
「あ、そこは気にしないでください。」
そう言って訂正を入れておいた。
「ま、お前を取られるなんて心配は俺もしてないけど。」

