「今のものすっごくかっこよかったぁ!!」
「いいなぁ、あんな風に言われてみたい!!」
お客さんが口々にそんなことを言い出す。
意外なことにお客さんにはものすごく評判がよかったみたいだ。
「お二人は付き合ってるんですかぁ?」
一人のお客さんが突然私と月に聞いてきた。
「はい。」
月が答える。
「羨ましい…。」
少し落ち着いてきたところで交代の時間になったので、
私と月は後半担当する人たちと代わって
空き教室で休憩することにした。
「月は回らなくていいの?」
「あぁ。なんかもの凄く疲れた。」
「…確かに。」
「もう二度とこんなことはごめんだ。」
「そだね、ごめんね?」
「ホントだっつうの。でも、ま、ひとつだけイイことあったかな。」
「?」
「麗李のそんな格好みれたし?」
私の耳元で黒く笑いながら答える。

