そう言うと月は私を力強く引き寄せ自分の背中の後ろに隠した。
「な!お、俺は客なんだぞ!客に対してそんなことっっ!」
「他のお客様にまで迷惑をかける客は客とは言いません。
なのですぐにお帰りください。」
「……!?こんな店こっちからお断りだ!!」
そう言ってその客は逃げていった。
「大丈夫か?」
「あ、うん。」
「ったく、これで何度目だっつうの。」
「ごめん。」
「ま、無事ならそれでいい。」
「麗李大丈夫!?」
「うん、大丈夫だよ。」
柚那が心配そうな面持ちで私に駆け寄る。
「その前に他のお客さんに説明したほうがよさそうだよ?」
舜君が月の近くに来て言う。
「……だな。」
「すみませんお客様。このような騒動になり大変ご迷惑を
おかけしました。」
『きゃぁあああ!!』
「え?」
お客さん達が急に大声を出すのでびっくりした。

