*。俺様な吸血鬼。*




「えっとぉ、終わってすぐで悪いんだけど、
もう次に指名入ってるんだよね。」

「え?また?」

「ま、いいことだし頑張ってきてねぇ☆」

次のお客さんのところに行く前に月のほうをチラッと
盗み見すると月は女性のお客さんと楽しそうに話していた。

(自分はあんなに言ってたくせに…。)

そう思って少しすねながら次のお客さんのところに行った。

「お待たせいたしました。」

「い、いや、いいよ。全然待ってないから。」

「あ、はい。」

次のお客さんは中年くらいのおじさんで、
汗を流しながらイスに座っていた。

「ご注文はいかがなされます?」

「あ、えっとじゃあ、アイスティーとショートケーキで。」

「かしこまりました。」

そう言って立とうとするといきなりお客さんが腕を掴んできた。

「!?ど、どうなされました?」

びっくりしたもののお客さんだから失礼な態度をとるわけにはいかない。

「ハァ、ハァ、可愛いね君。よかったら一緒に写真撮ろう?」

息を切らしながら私に聞いてくる。

(ヤダっ!気持ち悪い。)

そう思ってると急に体ごと引っ張られた。

「すみません。お客様、こいつに触れていいのは俺だけなんで。」

「ゆ、月!?」