天使的恋愛論




考えてみる、か。
うん、はっきりするならその方がいいかもしれない。
私はこくりと頷いた。


「作間は、自分のことどんな風に思う?」

「……ん~、なんだろうなあ。」


私が首を傾げた瞬間、頭上で声がした。


「……作間は、予測不能さん、です。」

「っ!?あ、天祢くん!?」


やっぱり、天祢くんだった。
寝起きのようで、綺麗な茶色い髪には寝癖がついていた。


「天祢?……寝起きなん?」

「ん、ねむ…。」


加瀬くんと会話を交わしながら、天祢くんは私の腕を掴んだ。
グイッ、と持ち上げられて、私は思わず「うお!」と変な声を出してしまった。


「くっ、作間、面白いんだけど。」

「あ、天祢くん!」


……どうしよう、なんかすごく恥ずかしいんですけど。
私は自力で立ち上がり、天祢くんの背中を押した。


「ちょ、作間?」

「天祢くん!こっち!加瀬くん、またねっ!」


あはは、と笑いながらそう言うと、私は天祢くんを連れて下駄箱へ向かった。

誰もいない下駄箱は、なんだか静かで気持ち悪かった。


「どしたん、作間。」

「あ、天祢くんのせいで変な声出ちゃったじゃん!」

「や、俺のせいじゃなくて、作間がもともと変な声なんじゃない?」