締め切りまで、あと二ヶ月かあ。
今の私にとって、すごく厳しい状況だ。
「…うー。」
「咲、千代ちゃんに相談してみたら?今のテンポじゃ二ヶ月は無理だと思うの。」
「…相談、してみる。」
……あの堅物な千代ちゃんが、二つ返事でオーケーしてくれる可能性は、ほぼゼロに等しいけれど。
やってみなきゃわからない、と思う。
私は、放課後千代ちゃんに相談することにした。
里菜ちゃんは、サラサラと鉛筆を滑らせて、黙々と絵を描いている。
どうして描けなくなってしまったんだろう。私は深く溜息をついた。
「……里菜ちゃんは、さ。」
「うん?」
「自分に自信、ある?」
「うん。」
「……そうすか…。」
さすが里菜ちゃんだ。
確かに綺麗で頭も良くて、絵も上手けりゃ…何に自信を無くすのかわからない。
私は自信が持てない。
なんでだろ、なあ。
「はあ…。」
「咲、いつにも増して今日おかしいよ…?」
「い、いつにも増してっ!?なんか失礼!」
里菜ちゃんは、私の話を「あはは」、と軽く笑い飛ばして再び絵を描き始めた。
「ね。そういえば、咲って透也くんと仲良しだったんだね。」
「へっ!?」
天祢くんと仲良し!?私が?
