また英語使ってる。
なんてぼんやり考えながら、俺は口を開いた。


「何処に、肉食の天使がいるんデスカ。」

「う、え?」

「人間なんて、俺食べないから。」


うーん、と何か呟きながら、彼女は俯く。
ようやく少し落ち着いたみたいだった。


「し、新種?」

「はい?」

「天祢くんが、初の肉食天使とか…。」

「肉食天使って…んな四文字熟語みたいなの作んないでよ、作間。」


ポン、と軽く頭を叩くと彼女は、「うおっ!」と男みたいな反応をした。
やっぱり作間は面白い。
俺は目を細めて笑った。


「な、なに笑って…!」

「作間、取り敢えず話、最後まで聞いてくんない?」


俺がそう言うと、作間は大人しく頷いた。
よかった。取り敢えず、少しは警戒が解けたかもしれない。


「俺は、作間のこと食べないよ?」

「う、うん。」

「作間に、危害も加えないし。」

「うん…。」


ポツリ、ポツリと、彼女は小さく頷く。
俺はゆっくりと口を開いた。


「だから、研究。させてくれないかな?」

「――…ど、どんな風に…実験ってするの?」


作間は、恐る恐るそう言った。
そんなに、気になることだろうか。やっぱり、人間はわからない。