その表情に息を呑んだ。 次の瞬間、風もないのに桜の枝がざわざわ騒いで 男はその桜を見上げた。 「てゆうか今日はもう帰った方がいいかも」 「なん…」 何で、と言おうとしたら、後ろからピカっと光が指した。 「警備さんっ…?」 2階の窓から警備さんがライトで私達を照らしてる。 やばい…っ 「何してるっ!!」 窓から身を乗り出した警備さんが怒鳴った。 「ほら、ね?」 焦ってる私を見て、男は楽しそうに笑いながら首を傾げた。