もうこの男と話したくなくなってきた。 「…行くから、離してよ」 私の腕を掴んでた力が緩くなった隙に男から離れた。 「…残念」 「何が」 男の顔を見れなくて、地面に向かって言った。 「折角話せたのにな」 「あんたほんと、誰」 「君がいつも見惚れてるもんだよ」 「はぁ?」 何言ってんの、って顔上げたら、 男の綺麗な顔が嬉しそうに微笑んでた。