「ん〜。翔くんはどっちがすきかなぁ?」



つい、ひとりごとが口から出た。


「ちょーちゅん」



「そーつん」



「しょーくん」



「翔くん」



あたしは、小さいときから、ずっと翔くんと一緒だった。


翔くんはあたしより5歳年上。


お母さんの友達、さっちゃんは、大学の同級生と学生結婚をして、大学卒業の年に翔くんが生まれたらしい。


その5年後、お父さんとお母さんの間に、あたしが生まれた。


その1年後、さっちゃんの2人目の子ども、陽ちゃんが生まれた。


親同士仲が良かったから、あたし達3人は一緒にいることが多くて、本当の兄妹みたいだった。