「そういう意味じゃないっ!」 必死で言葉を探すあたしに、赤ちゃんをあやすように優しく翔くんは言った。 「わかってる。 亜衣がネックレス着けてくれてたから、嬉しかったんだよ。 ありがとな。」 『ありがとう』って言わなきゃいけないのはあたしなのに…。 「あ…。えっと…」 “こちらこそありがとう”の気持ちは、緊張のあまり、うまく言葉にならなかった。 翔くんは微笑んで、あたしが話し出すのを待っていた。