さっちゃんは、震えるあたしをもう一度ぎゅっと抱きしめてくれた。






「そうやって、自分のことを客観的に見られるって、すごいことなんだよ。






あたしが亜衣ちゃんぐらいのときは、そこまで自分のことわかってなかった。





“今が楽しければそれでいい、過去は過去、嫌なことは忘れる”





そんな風に過ごしてたから、あの頃からほとんど成長してないの。







でも、亜衣ちゃんは、自分の悪いところとか、忘れたくなるような過ちも、確実に自分の力にして成長していけると思う。





それって…とっても難しいんだよ。





そういう風に毎日生きてるんだなって思えるのは、あたしの知っている子どもの中ではたった3人しかいないんだから!」