「もう行かないとなのに〜髪の毛が直らない!」 焦りながら鏡とにらめっこを繰り返すあたしに、お母さんはいたずらっ子の笑みを浮かべて言う。 「恋する女の子は大変だよね〜。今なら送って行ってあげるよ〜? 翔くんとこまで!」 「歩いて行くからいい!」 あたしはお母さんの顔を見ないで家を出た。