「いや!寝ない! 今日のこと詳しく聞かせてくれる?」 「もちろん聞かせるよ! ていうか、聞いてください!」 今日の翔くんとの出来事を、あたしの心の中だけに秘めておきたくなかった。 あたしは陽ちゃんの横の布団を足にかけて、ひとつひとつ大切に、全部話した。 聞き終えた陽ちゃんは、真っ赤になりながら、 「お兄ちゃんのことを初めてかっこいいと思った。」と言った。